【Swift】JSONデータをデコードする方法!JSONDecoderクラスの使い方

この記事からわかること
- SwiftでJSONファイルを操作するには?
- デコードする方法
- JSONデータを構造体に紐付ける
- JSONDecoderの使い方
- スネークケース記法の対処法
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Swiftを使ってJSON形式のファイルの中身を構造体と紐づけて変換する(デコードする)方法をまとめていきたいと思います。
JSONファイルとは?
「JSONファイル」とはJavaScriptのオブジェクト形式の記法に準拠した記述がされた拡張子が「.json」のデータファイルのことです。ちなみにJSONは「JavaScript Object Notation(記法)」の略称です。
JSON形式のデータ
中身は配列と連想配列を組み合わせたような形式になっています。深くネストすることも可能ですが、大枠は連想配列になっているのがJSONファイルの特徴です。
Swiftでも利便性の高いJSONファイルを扱うことが可能です。
SwiftでJSONファイルを扱う
SwiftでJSONファイルを扱う上で注意しなければいけないポイントは以下の通りです。
JSONファイルを扱うポイント
- データ型
- エンコード
- デコード
エンコード(encode)とは「符号化」のことで、「一定の規則に準じた形式にデータ変換すること」です。デコード(decode)はその逆で符号化されたデータを元に戻すことをさしています。
今回はデコードについてまとめていきます。
Data型への変換
ポイント
SwiftでJSONデータを扱うには文字コード:UTF-8のData型にする
Swift内でJSONデータを扱うには適切なデータ変換が重要になってきます。JSONデータ(JSON形式の文字列)をそのまま扱おうとしてもただの文字列(String型
)として扱われてしまいます。SwiftでJSONデータとして取り扱うには文字コードがUTF-8のData型でないといけません。
例としてJSON構造の文字列を定義し、そのまま型を出力すると当然ですがString型
になります。これをData型に変換するにはString型
と同じ文字列を意味するNSString型
と呼ばれる型のdataメソッド
を使用します。
dataメソッド
はData型へキャスト(型変換)するメソッドで引数(using:
)に文字コードを指定できます。つまり「.data(using: .utf8)
」は文字列をJSONが扱える状態(文字コードUTF-8/Data型)へ変換しています。返り値はオプショナル型になるので強制アンラップ(!
)しておきます。
ちなみにNSString型
とString型
の違いは使用できるプロパティやメソッドの違いです。Objective-CではNSString型
が使用されており、SwiftではString型
が追加されました。文字列を扱うという点では同じです。
まとめ
- JSONデータはUTF-8のData型として扱う
- 型の変換はNSStringのdataメソッドが便利
- 返り値はオプショナル型
JSONデータをSwift構造体と紐付ける
JSONデータをSwift内で扱いやすくするために構造体として変換(デコード)していきます。用意する構造体のプロパティはJSONデータの構造とキー値に沿ったプロパティ名にしておきます。
デコードする構造体はDecodableプロトコル
に準拠していなければいけません。またDecodableプロトコル
とEncodableプロトコル
の両方を兼ねたタイプエイリアス(別名)であるCodable
プロトコルを指定しても問題ありません。
これで準備はできたので実際にデコードしてみます。今回はJSONデータは同じファイル内に定義して参照します。
JSONDecoderクラスとは
JSONデータを構造体へと変換しているのは下記の部分です。
JSONDecoder()
はSwiftに標準で定義されている、JSONデータからデコードできるクラスです。その中のdecodeメソッド
の引数に変換したい型(構造体)と対象のデータを渡すことでデコードされます。
decodeメソッドの定義と使い方
decodeメソッド
の定義を見てみると以下のようにthrows
句が入っています。throws
句があるメソッドは例外が投げられる可能性があるのでtry文
を使って例外を処理できるようにしておく必要があります。
try文
にも種類がありますが、try!
は例外が発生しても強制的に無視します。万が一例外が発生すれば停止します。<T>の意味がわからない方は以下の記事を参考にしてください。
成功すれば変数に構造体に準拠したデータが格納されます。あとはドットシンタックスを使ってそれぞれのプロパティへアクセス可能です。
まとめ
- JSONを変換する構造体はDecodableプロトコルに準拠させる
- String型→Data型→構造体に変換
- JSONDecoderクラスのdecodeメソッドを用いてデコードする
ネストされた複数行のJSONデータをデコードする
JSONデータがネスト(階層化)されていたり、複数行ある場合(配列)を見ていきます。
ネストされたJSONデータ
まずは受け取る構造体をネストしている分定義します。school
構造体の中にはさらに配列[]にしたPerson構造体を定義しておきます。
JSONデータの変換は先ほどと同様に行えますが、参照方法には注意が必要です。school.person
ではPerson
構造体を値に持った配列が渡されます。なのでfor
文で回して取り出すことも可能になります。
JSONデータに存在しないプロパティを構造体に持たせる
School
構造体にJSONデータにはないプロパティを定義しようとするとエラーになってしまいます。
エラーになってしまう構造体定義
これを防ぐにはデコードしてほしいプロパティを明示的に指定することで解決することができます。指定するには列挙型(enum)CodingKeys
を構造体内に記述します。名称は「CodingKeys」と決まっています。
プロパティを明示的に指定した構造体定義
キー名とプロパティ名が異なる場合の対処法
JSONのキーがsnake_caseのようなスネークケース記法で記述されている場合、キャメルケースで記述することの多いSwiftでは厄介です。
その場合はCodingKeys
に以下のように対象のJSONキー名を記述することで自動で変換してくれるようになります。
true/false以外を真偽値へ変換する方法
JSONの値が以下のようにtrue/false以外でBool型へ変換させたい場面もあると思います。
対象のJSON
詳細はこちらの記事を参考にしてください。
Date型をJSONにする際の注意点
SwiftでDate
型をプロパティに持つ構造体などをJSONに変換したい場合は特に意識せずに相互に変換が可能になります。
例えば上記の構造体をそのまま変換すると以下のように741670569.590185
というエポック秒形式でJSON化されます。
しかしここで生成されたエポック秒は情報が抜け落ちているのでSwift内でデコードする際は問題ないですがAndroidなどで変換しようとした際に正しい日付に変換できません。解消法は以下の記事を参考にしてください。
もっと簡単にJSONデータを操作する方法
デフォルトで組み込まれているJSONSerialization
クラスや外部ライブラリのSwiftyJSONなどを使用すればJSONを辞書型や指定の構造体に簡単に変換でき、操作することが可能です。
まだまだ勉強中ですので間違っている点や至らぬ点がありましたら教えていただけると助かります。
ご覧いただきありがとうございました。